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手紙の構成の基本
携帯電話やメールが普及している今日においても、手紙による挨拶や、やり取りは、必要不可欠である。また、メールが普及している今だからこそ、直筆の手紙の温かみを感じることができるという一面もある。
ビジネスにおいても、人間関係においても、手紙を有効に活用できれば、円滑にことが進みやすい。手紙には、形式があるから苦手という方もいるだろうが、基本的な考え方は、普段の会話と同じだ。
普段の会話では、まず、
- 「こんにちは」などの挨拶からはじめ
- しばらく会っていない相手であれば、「元気だった?」と相手の調子を気遣う話になり
- お話の本題に入ります。
- 最後は、「じゃあ、また」「さよなら」といってお別れすることになります。
手紙の構成もこれと同じです。
- こんにちは」「元気だった?」にあたる前文
- お話の本題にあたる主文
- 「じゃあ、また」「さよなら」にあたる末文
- 最後に手紙の差出人や日付などをつける後付け
で構成されます。
まずは、受取人への敬称のつけ方
※受取人によって、敬称を使い分けます。
| 御中 | 官公庁・企業・団体の場合 |
|---|---|
| (例)株式会社西船橋工業 御中 | |
| 各位 | 同じ文章を多数に宛てる場合 関係者各位・担当者各位 |
| (例)工業会会員 各位 | |
| 殿 | 役職に宛てる場合 |
| (例)株式会社西船橋工業 榎戸部長 殿 | |
| 様 | 個人名・役名のついた個人名 |
| (例)榎戸太郎 様 営業部長 榎戸太郎 様 |
さて、いよいよお手紙。
※手紙の構成の基本は【前文】→【主文】→【末文】
【前文】
①頭語と結語・・・文書の冒頭と終わりを対応するようにします。
| 一般的な手紙 | 頭語 | 拝啓 |
|---|---|---|
| 結語 | 敬具 | |
| 丁寧な手紙 | 頭語 | 謹啓 |
| 結語 | 謹言・敬白 | |
| 急ぎの手紙 | 頭語 | 急啓 |
| 結語 | 草々 | |
| 前文を省略 | 頭語 | 前略 |
| 結語 | 草々 | |
| 返信分の場合 | 頭語 | 拝復 |
| 結語 | 敬具 |
②時節の挨拶・・・「○○の候」とか「・・・・の季節になりましたね」などの時候の挨拶
季節によって、挨拶文を使い分けます。
| 1月 | 新春の候・厳寒の候 | 7月 | 盛夏の候・炎暑の候 |
|---|---|---|---|
| 2月 | 新春の候・厳寒の候 | 8月 | 残暑の候・晩夏の候 |
| 3月 | 早春の候・春寒の候 | 9月 | 初秋の候・新涼の候 |
| 4月 | 陽春の候・春暖の候 | 10月 | 紅葉の候・中秋の候 |
| 5月 | 晩春の候・新緑の候 | 11月 | 晩秋の候・寒向のみぎり |
| 6月 | 初夏の候・梅雨の候 | 12月 | 初冬の候・師走の候 |
・「ご清祥にお過ごしのこととお喜び申し上げます」「お元気にお過ごしのこととお喜び申し上げます」など、相手の安否を尋ねる挨拶
・その後、手紙の内容、相手によって、ご無沙汰を詫びたり、願い事を聞いてくださり恐縮しているなどの文章が入ります。
新春の候、皆様には、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。日ごろは、ご無沙汰ばかりでまことに申し訳ございません。
・・・・・・・・・・・・
敬具
【主文】
※主文のポイント
・書き起しの文章として、改行した後に「さて」「このたび」を入れると読みやすい。これから主文に入るという合図でもある。
・敬語を使う場合…尊敬語、謙譲語、丁寧語を間違えないようにする。わからない場合は、とにかく、「・・・です。」「・・・ます。」などの丁寧語で書くのが無難。
・忌み言葉に注意…結婚、葬式に関する手紙では、特に、忌み言葉を使わないように注意する。開業、開店、新築や見舞いの文章でも同様に注意する。
さて、このたび、私どもは、手紙夫妻のご媒酌により、3月20日に結婚いたしました。
今後は、二人で力を合わせ温かく明るい家庭を築いていきたいと存じます。
ただ、何分、未熟な両名でございますので、皆様には、いっそうのご指導、ご助言のほどをお願いいたします。
なお、左の住所にささやかな新居を構えました。お近くにお寄りの節は、お立ち寄りいただければ幸いに存じます。
【末文】
末筆ながら皆様の益々のご健康とご多幸をお祈りいたします。
まずは、書中をもちましてご挨拶申し上げます。
敬具
※末文のポイント
・結びの挨拶として、相手のこれからの健康や幸福を祈る文章を入れる。唐突だと思う場合は、「末筆ながら」という表現が便利である。
・結びの言葉として、手紙の内容を一言で表す言葉を入れる。「まずは、○○まで。」の表現が便利である。
・結語…前文の頭語に対応する結語を入れる。「拝啓」に対する「敬具」がよく利用される。なお、「かしこ」という表現は女性のみが用いることのできる表現なので注意する。
後付け
基本的な書出し・・・受取人への配慮と日ごろのお礼の意味をこめて書きます。
(例)
貴社益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。また、平素は格別のご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
その他の文例 ・・・ 相手によって使い分けます。
貴社
御社
貴店
貴行
貴殿 いよいよ
益々 ご清祥
ご清栄
ご隆盛
ご発展
ご繁盛
ご隆昌 お慶び申し上げます
何よりと存じます
平素は
日頃は
毎々
いつも
常々 格別の
一方ならぬ ご愛顧
ご高配
ご厚情
ご支援
ご配慮
ご指導
お引き立て を賜り
にあずかり
くださり
いただき 厚く御礼申し上げます
心より御礼申し上げます
感謝いたしております
深謝申しあげます
末文の挨拶・・・文書の終わりであることを示すために使います。そして、文書の最後には、必ず、「以上」をつけるようにします。
通知文の場合
→ まずは、ご通知申し上げます。
取り急ぎ、書面にてお知らせ申し上げます。
とりあえず、ご一報まで。
案内文の場合
→ ご案内かたがたお願い申し上げます。
まずは、ご案内まで。
お断りの文章の場合
→ 誠に残念ながら貴意に添いかねますので、あしからずご了承くださいますようお願い申し上げます。
返事を要求する文章の場合
→ 折り返し、ご一報賜りたくお願い申し上げます。
恐れ入りますが、至急ご返事くださいますようお願い申し上げます。
祈念
→ 今後ともよろしくご指導くださいますようお願いいたします。
今後とも一層のお引き立ての程、お願い申し上げます。
時節柄、御身ご自愛の程お祈り申し上げます。