謝罪するうえで忘れてはならな
いのは、まず一定の時間は、相手の怒りや不満をひたすら吐き出さ
せることだ。先方が頭に血が上っている状況では、正確な情報を聞
き出すことも、こちらから対策を提示することもできない。
田中氏は「重大な過失を人が許す過程には段階がある」と言う。
最初の段階は、謝罪で怒りや苦し
みが「癒やされる」という状態だ。
クレームの電話応対などでもまず、「『お怒りなのもごもっともです、私でもまったく同じ気持ちになります』など、怒るお客様の気ちに同感し、感情を鎮める」(クレーム対応に詳しい経営コンサルタントの山崎二氏)ことが鉄則だ。
相手の感情がある程度鎮まってから初めて、こちらの言い分にも耳を傾けて理解できる「俯に落ちる」段階へと向かう。
先方が「許す」心境になるのはこの先である。だが、一度許されても怒りがちょっとしたことで復活する場合もある。「先方が忘れるまで、こちらが忘れていないという態度を保つことも重要」だ。しつこく謝罪を繰り返す、というよりも析に触れて、さりげなく態度で示すことを続けるのだ。
ただ、そうはいっても、怒りに震えているお客と対峙するのは人間誰しも怖いものだ。お詫びも億劫になりがちだし、パニックになって正常な判断ができなくなるケースもあるだろう。心の強さを持つことも、謝罪をうまく行なうには重要だ。
もっとも、営業マンとお客といっても、根本は人間同士の関係である。そこで謝罪を通して、営業マンがいかに胆力、魅力のある
「人間力」を備えているか認めてもらえば、関係が前よりいっそう深まることもある。
謝罪は決して特別なものではない。人間力が試される戦略的な謝非力の鍛錬に挑んでもらいたい。
クレーム対応術
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